凸版印刷は社員のストレスが企業成長の妨げになると、新たなマネジメントの導入に乗り出した。
社内に産業医を手厚く配置して相談に応じる手法とは異なり、社員のストレスへの対処能力を高めるのが特徴。
短期間のカウンセリングと部下管理の能力開発などを組み合わせ、主に中間管理職が抱えるストレスの芽を事前に摘み取る。
同社は今年9月、臨時床心理士で短期間問題解決型カウンセリングの専門家を契約社員として迎え入れた。
本社内にコンサルティングルームを設け、11月から短期問題解決型のカウンセリングを始めた。
週に一度の割合で、コンサルティングルームを開放。
主に役員以外の管理職を対象に相談を受け付けている。
このカウンセリングは、社員が悩みを一方的に打ち明けストレスを発散させるだけの旧来型の相談体制ではなく、社員が悩みなどを自分自身の力で解決できる能力をつけさせるものである。
このあたりはコーチングと共通するスタイルである。
それから、年4回実施する心理テスト。
仕事管理の仕方などを問うことで、ストレスがたまっていないかどうかをチェックする。
並行して、部下とのコミュニケーションの取り方などをテーマにした管理職研修も随時に開く。
管理職は自分自身だけでなく、部下のストレスのたまらないように配慮する重要性を認識させる。
部下の意見に耳を傾けるなど、部下との接し方をたたき込み、各職場の活性化に役立てる考えだ。
凸版印刷の調査によれば、自己や部下への管理能力が高い社員ほどストレスが低いことがわかったという。
そして、実際に社員のストレスが、企業の成長を阻害している証拠を示す模索が続けられている。
社員のメンタルヘルスを高める組織の仕組みづくりが、組織の目標達成の重要な成功要因になることは、経営品質を高めるプロセスでも明らかである。
EQMのクライテリア#3と6人の人材および社員関係の結果の事例として参考になるところである。
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