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BSC Colum
「T」さんの目のツケドコロ

第13回
欧州白物家電メーカーに見る「欧州モデル」の競争優位について考える
第12回
企業に求められるリーダーシップについて考える
第11回
クレジットカード会社に見るコールセンターは宝の山
第10回
島根県立中央病院に見るIT活用の患者至上経営
第9回
壱番屋とシー・エス・ランバー見る顧客満足戦略の原点
第8回
新入社員にクオリティーとクオリティージャーニーを簡単に説明する方法
第7回
日本アイ・ビー・エムに見る経営ビジョンとリーダーシップ発揮の仕組み
第6回
「鬼平犯科帳」長谷川平蔵に学ぶ人材マネジメント学
第5回
凸版印刷にみるストレスマネジメント
第4回
横並び意識にみる危機管理や経営品質向上活動取り組みについて考える
第3回
「マネジメント」の意味を1分間で説明する方法
第2回
リーダシップ手法としてのコーチングとバランス・スコアカード
第1回
「きしめん」とバランス・スコアカード
 

 米同時テロを機に危機管理の仕組みを検討しようと、コンサルティング会社やシンクタンクに助言を仰ぐ企業が急増しているという。

 だが、あるリスク管理の専門家は、”商売繁盛”にもかかわらず複雑な表情だ。
「どの企業も”ほかの会社はどんなテロ対策をとっているか”と聞いてくる。
こう横並び意識が強くては結局、通り一遍のリスク管理に終わってしまう。」
というのがその理由だ。

 消費財メーカーなら工場がテロの攻撃を受けた場合、従業員の安全確保だけでなく、製品の完全性や供給能力について消費者、取引先へ迅速な説明が欠かせない。
流通網や顧客層は企業によって異なるので、危機への対応は自分の頭で考えるしかないのである。

 「緊急時に起こす行動の優先順位は、企業によって違うはず」

 と指摘する。

 そこには、企業によって異なるステークホルダーとの関係が考慮されなくてはならないはずである。


 危機管理の横並び意識もそうだが、経営品質向上活動でも同じようなことが言える。
他の会社が経営品質向上活動をやって成功しているからと言って、それをそのまま持ってきても同じように成功するとは限らないのである。
また、その程度のことをやれば良いという、通り一遍の活動ではやらないほうが良い。
現場に不要な負担をかけるだけの話しである。

なぜならば、その企業の競争力を生み出すエクセレンスモデルの重要な成功要因は、その企業や意識特有の戦略や仕組み、人材を含めた経営資源から生み出されるのであり、各社各様であり、ひとつとして同じものではない。

 卑近な例で恐縮だが「天麩羅蕎麦」ひとつをとってみても、客商売にしようと思えば、天麩羅のうまさで客を唸らせるのか、しこしこ麺で特徴を出すのか、はたまたソバツユで勝負するのか、競争力を生み出す戦略を明確にしてこそエクセレンスを追求できるのであって、その実践が事業成果などに反映することになる。

 「知識という石を、こころの炎で溶かせ」と、河井継之助が言っているが、「経営資源という石を、経営戦略という炎で競争力に昇華させよ」といったところかもしれない。

 再び危機管理の話しに戻る。
 第一に消費者、次いで従業員、地域社会、株主。
米ジョンソン・アンド・ジョンソンが80年代の鎮痛剤への毒物混入に際し、製品回収という素早い対応を取れたのは、経営の優先順位を明確にする哲学があったからだ。

 自分の会社は何をし、何によって成り立っているか。

 企業経営の出発点となるテーマを、米同時テロは経営者に問い直しているようだ。

 ちなみに、EFQMの危機管理に関するクライテリアは、#2cの方針・戦略策定のPDCAにある。

(参考:日経産業新聞2001年10月22日)

==GQF Weekly Issue on 2001-10-31= からの抜粋


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